追いかけてくれますか

ぬくもりから 追いかけられてるんだ
抉ったはずの 傷もいつの間にか塞がる

不協和音さえ許される てのひらの中で
針を拾ってもまだ 追いかけてくれますか


融解けるように 空を泳いでくんだ
街灯は蒼い 冷えた熱で刺してくる

跳ねるように 水面を揺らすんだ
その下の澱は 僕には見えてはいない

優しさから 包まれているんだ
その花は紅の 毒を撒き散らしてくる

潰されないように 避ける爪先
いつだってそこへ 避けていくんだ


紡ぐ為の針と糸 わざと飲み込んで
縫い合わせた肌に 熱を

嘆く為の声と指 折りながら繋ぐくせに
ほら 逃げて 追いかけて また包んで
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