ないの

無いものねだりで不感症を手に入れては投げ捨てた。繰り返し。
徐々に乖離していく体と心が愉快だと思うのが馬鹿げていて不愉快か。

眼孔に捻じ込まれた息が詰まるのを何度繰り返したんだ。
底から膨張してしまえばいいのに楽になれるのはいつか。

いつだ。

分断して遠くなった沢山が愛しいから貼り付けて見せびらかして。
遠い所で待っていたらまた開いてくれたらまた笑いかけてくれたら眠ろうね。

取れた自分のでない指も指も自分のものだという嘘みたいな幻象。
「何が」かも理解したくないから見えないのは当然なのに不当だと壊れたように罵る。

肥大し重圧のかかる感覚に顔覆っても重くなるだけ。
脳に針を刺した痛みも金平糖のような内部破裂もただの幻覚。

幻覚だよ。

わたしを見ないで?

だって、
飽きる
以前の
お話で
手を
振る
腕が
無いの
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