ただここに在るという円環


宛の無い紙飛行機 風に乗って
振り離す腕が ただ此処にあるから
果てのある終わりの歌 風に乗って
振り返る踵が ただ此処にあるから

盲目を凝らせばレンズ越しのフレア
受け入れない目は醜さを焼き尽くして
拡散して滲む素数の世界
道は重なる

気付かない足元の生きた流星群
倒れたとき頬は価値に気付くだろうか
減算して喰らう轟音の世界
廻る円盤

意味も理解しない腕で
地下水路を手探りで掻き進む
飲んだ水が飢えを知らない雛でも
今更吐き出せやしない

留まり続ける砂礫は 舞い上がって
より流す腕がただ此処にあるから
果てしない道の鱗 舞い踊って
紡ぎ駆る足がただ此処にあるから

宛の無い紙飛行機 風に乗って
振り離す腕がただ此処にあるから
果てのある終わりの歌 風に乗って
振り返る踵がただ此処にあるから
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