君と契約


心だけ犯されていく
彷徨う足は要らない
煮たそれを喰らう爪
焦げ付き嗅覚を奪う

時刻を負う調べは酸味
慣れた仕草で折り取る
痛くないから不快だと
力任せに引き摺り出す

逆流する液体に溺れても
嗚咽を漏らし懇願しても
やめないでいてくれるの
従順な少女みたいにして

赤と白と黄色と黒に濡れて
曝け出す内奥を吸い尽くして
穿たれた注射針と餌付けの契約
助けてよ助からない笑う落ちる手
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