いたんだ 一人だけ


高い空は ただ嗤うだろうか
這うことを選んでしまう私を
逢いたいと あいたいと
希う 生きるということは
存外悪くはない

そっと 歩む度削れる命を
足元に刻み流す

いたんだ 一人だけ
鮮やかに映る面影を消し去れず
逢いたいと ただあいたいと
ひた走る世界の色は 未だ黒


待ち続ける 扉の前から
去ることを選べない場所まで来た
遠くまで とおくまで
ただ願う 生きるということを
抱き疲れぬ様に

共に歩む四肢 夢見た代償は私の世界

いたんだ 一人だけ
鮮やかに映る面影を消し去れず
逢いたいと ただあいたいと
ひた走る世界の色は うつろいゆく

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