「あの人は


見出したからこそ、」
 たった一言出会い頭に呟かれたそれは
 こんにちはきょうもよろしくね
 それ位の気軽さで

 大した意味など無い日々の巡り合わせを
 思い出す様に 奥にしまわれてしまった

 それは哲学というものに近いようだ
 呟いては反発する瞼が閉じ結論など無い

 それなのに思考を巡らせ続けるのだ
 それは正しく致死性の毒だった

 「あの人は見い出せたのでしょうか」
 その結末がこれでは何の為のおこないだ?

 認められないと瞼を閉じた時
 同じ毒に蝕まれてると知った

 いじましく首を振る事も
 憚られてしまうそれを満たした
 こんな相反するものを
 勝手にうつした貴方に慈悲を!


 そして俺たちは問いを零しながら歩いた
 後悔をしないように
 そして俺たちはともがらの名前をなぞる
 後戻りをしないように

 そして俺たちは終わりへと踵をつける
 後戻りをしないように
 そして俺たちは亡骸の名前を呼んだ
 後悔をしないように

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