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1「白」

幼子のくに　哭いたきみ　
ぼくは冠を乗せてあげた
きみが王様　ぼくだけの王
お願い聞いてくれる？
消える前にもう一度殺して
ぼくだけの王様
信じてよ
きみが見ていたぼくは
きみを傷つけた事ないでしょ

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2「赤」

僕はいつだって傷ついていた
僕はいつだって傷ついていた
貴方は嘘を吐いてくれない
ねえ貴方が僕にくれた仕打ち
わかってはくれやしないでしょう？
僕だけの神様
見ないでくれ
こんなに幸せな顔をする僕は
いつだって傷ついている
今だって傷ついている

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3「淡紫」

僕たち二人で袖を引き合った
僕が笑う声は届いていますか？
きっとこの空みたいに綺麗でしょう？
貴方が笑うのを真似したんだから

波の音は聞こえていますか？

夜明けの藍はまだ見えていますか？

まだ声は

まだ声は

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4「黄」

それから君たちは僕に言う

仰向けで浮かんださかなの果て

泥からわく気泡
拭いきれぬ洋墨
葉に生まれた花びら
突き落とす偽善

誇大しないことを
暴虐と呼ぶの？

透徹した世界は
そんなに息苦しいのかい

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5「紫」

ああそうさ

あの人が嘆くのはぼくが嘆かないように
あの人が見上げているぼくは
別の誰かを見上げてる

ああそうさ！

それでも良いんだって
許す側のあの人は
どうして赦されたがるから
ぼくは冠を載せてあげた

その透徹した世界のように
望まない嘘を隠すように
ぼくは冠を載せてあげた

そんなずるいはなしさ

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